ワックダンス(Waacking)、パンキング(Punking)とは?歴史と特徴、おすすめの動画や音楽

皆さんは、ワックダンス、あるいはパンキングというダンスジャンルをご存知でしょうか?

ワックダンスは、日本人ダンサーの世界的な活躍によって、近年日本で急激にダンサーが増えているジャンルの1つです。

力強いエネルギッシュな振り付けとポーズによって、盛り上がれること間違いなしのダンスジャンルとなっています。

今回はそんなワックダンスについて、特徴や歴史、有名なダンサーについて紹介していきます。

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ワックダンス(Waacking)、パンキング(Punking)とは?

ワックダンスは、腕や胸など、上半身を中心的に動かす、力強いダンスです。

腕をムチのように振り回したり、体に巻き付けたりと言った動きが特徴的です。

ダンスのルーツから、男性的なカクカクとした動きを排除することに主眼が置かれており、曲線的なしなやかな動き、力強いが色気がある動き、女性らしい曲線美を追求してきたダンスジャンルです。

またダンスの中でモデルのような「ポーズ」を決めることも大きな特徴の1つで、ダンスの中で音楽の盛り上がりに合わせてポーズを決めることで、会場を大きく盛り上げることが可能です。

ジャンルの成立は1970年代と比較的古い為、オールドスクールに分類されるダンスジャンルとなっています。

*ワックダンスとパンキングの違いとは?

本記事でも、タイトルから「ワックダンス(Waacking)、パンキング(Punking)とは?」と2つの名前を紹介致しました。

歴史のパートでも紹介するのですが、ワックダンスは元々ゲイ男性の間で発展してきたダンスジャンルでした。

その中で、ワッキングを踊るストレートな男性は、「ワックダンスはゲイがやるダンス」と考え、「自分はゲイではないので、自分がやっているのはワックダンスではなくパンキングだ」と呼ぶようになり、「パンキング」という呼び方が誕生したのです。

現在では、ワックダンスとパンキングについて、人によって解釈が異なっている為、明確な違いは存在していません。

強いて言うなら、ワックダンスの方がより感情的な表現をするダンスで、パンキングは滑らかな動きを磨き、技術的な精度を高めるダンス、と区別されることもあるようです。

本記事では、特別の理由がない限りは「ワックダンス」という呼び方で統一しています。

ワックダンスの歴史

ワックダンスのルーツは、1970年代のアメリカ、ロサンゼルスのクラブやディスコにあります。

当時、ロサンゼルスのクラブやディスコでは、ゲイコミュニティが発展しており、夜な夜なゲイ達がダンスやパーティーに興じていました。

そんな中で、当時ポスターが町中に貼られていたマリリン・モンローや、グレタ・ガルボといったスター女優、モデルのポージングを真似する遊びが、ゲイ達の間で流行しました。

このポージングが、ワックダンスの原型となります。

そして、そのポージングする遊びを音楽に合わせて行うようになり、段々とそれが元々クラブで踊られていたダンスと融合していきました。

このようにして、ワックダンスは誕生したのです。

ちなみに、ワックダンスという名前は、タイロン・プロクターというダンサーによってつけられました。

彼自身もゲイであることを公表しており、ワックダンスの第一人者としてソウルトレインに出場するなど、ワックダンスというジャンルの成立に大いに貢献しました。

そのような活動によって、次第にワックダンスはジャンルとして知名度を確立していったのです。

しかし、1980年代の後半になると、ワックダンスは急速に人気をなくしていきます。

それは、ワックダンスを最初に始めた世代の人たちがエイズによって次々と亡くなっていったからです。

当時アメリカではゲイによるエイズが社会問題化しており、ゲイに対するバッシングが強まっていました。

社会全体がそのような流れにある中で、ゲイコミュニティをルーツとするワックダンスもバッシングの対象となり、次第に公衆の場で踊ることが非難されるようになっていったのです。

こうして誕生からわずか10数年の間に、ワックダンスは急速に衰えてしまったのです。

このようにして、そこから20年近くの間、ワックダンスは日の目を浴びることのない時代が続きました。

転機が訪れたのは2003年です。

ブライアン・グリーンというダンサーが、せっかく誕生したワックダンスというジャンルがほとんど消滅しかけていることに危機感を抱き、その復興活動を始めたのです。

ブライアン・グリーン自身はワックダンサーというわけではありませんでしたが、ワックダンスの最初の時代のダンサー達から教えを受けたことのあるダンサーを探し出し、彼らを奮起させ、再び大きなステージでワックダンスを披露する機会を増やしていったのです。

当時にはゲイへのバッシングも幾分収まっていたので、ブライアン・グリーンの活動は功を奏し、ワックダンスは再び1つのジャンルとして、他のジャンルと変わらない扱いを受けるようになりました。

その後ワックダンスは、ゲイコミュニティで生まれたゲイ文化の一環として、むしろゲイへの差別に反対する意味でも踊られるようになっていきます。

かつてゲイへの差別によって抑圧されたダンスだからこそ、その差別に屈しない、という意味づけが行われたのです。

このような時代の流れもあり、今となってはワックダンスは昔以上に広まっています。

今では特に、女性に人気の高いジャンルへと変化しました。

日本においては、後ほど紹介致しますが、YOSHIEやIBUKIといった日本人ダンサーがダンスシーンにおいて世界的な名声を獲得するに伴って、その知名度を上げ、ダンサー人口を増やしています。

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ワックダンスの技術

ワックダンスはとにかく腕を使うことが多いダンスです。

見た目以上に体力を消耗するダンスなので、しっかりと練習して、ポーズまで決められるようにしましょう。

ここでは基本となるテクニックのみ紹介していますので、是非他の技も調べて練習してみてください。

トゥエル

肘から先を回す動きです。

ロックダンスでも同じ名前のトゥエルというテクニックがありますが、ロックダンスでは手首から先を回すのに対して、ワックダンスでは肘から先を回します。

またロックダンスと異なり縦のトゥエルと横のトゥエルがあります。

縦のトゥエルについて解説されています。他にもワックの基礎的な腕の動かし方についても解説されています。

日本語ではない為少々わかりにくいですが、横のトゥエルはこちらの動画で解説されています。

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ポーズ

ワックダンスの超重要な要素であるポーズです。

元々ポスターの写真の真似から始まったことからわかるように、決まった形のような物が存在するわけではありません。

自分が格好いいと思うポーズ、自分が好きなポーズをすれば大丈夫です。

しかしだからといって、ポーズが簡単なわけでも、適当にやって言い訳でもありません。

決まった形がないからこそ、ポーズにはダンサーの個性、実力がはっきりと表れるのです。

鏡を見ながら、体の軸、指の先、足の先、首の角度、表情に至るまで、あらゆる点をチェックしてポーズを磨きましょう。

この動画のように、カウントに合わせて連続でポーズを取る練習をすると、音に合わせてしっかりとポーズを決めて止まる練習になりますし、ポーズのレパートリーも増えます。

自由だからと言って適当にするのではなく、自由だからこそしっかりと自分なりのポーズを見つけて練習しましょう。

有名なワックダンサー達

日本のダンサー

YOSHIE

日本が誇る世界的なダンサーの1人です。

優勝賞金250万円というダンス大会「STREET KINGS」で二連覇の実績を誇ります。

その活躍はアンダーグラウンドのダンスシーンに留まらず、KinKi Kids、MISIA、V6、DA PUMPなど多数のアーティストの振り付け、ライブへの参加の実績があります。

ワックダンスの世界的なダンサーとして活躍している一方で、日本を代表するロックダンスチームである「BE BOP CREW」のメンバーでもあります。

ロックダンスでも卓越した実力を持っており、ジャンルを問わず活躍するダンサーです。

IBUKI

次世代を担う若手ダンサーです。

ワックダンサーとして紹介致しましたが、ワックダンスだけに限らず、フリースタイルのダンス大会でも優勝するなど、幅広い活躍を見せているダンサーです。

また自己プロデュースも巧みで、25万人以上のインスタグラムのフォロワー数を誇ります。

時代に合った自己プロデュースで、知名度という面でも他のダンサーとは一線を画しています。

プーマとコラボレーションしたこともあり、日本における「ダンサー」という職業の可能性を広げている存在です。

Mizuki Flamingo

上の2人と並び、日本にワックダンスを広めたダンサーの一人です。

クラシックバレエというバックボーンを持ち、ニューヨークでワックダンスを作り上げたタイロン・プロクターに師事してワックダンスを学びました。

ワックダンスの大会でも多数の優勝、準優勝経験を誇ります。

またアーティストのPVに出演したり、振り付けを担当したりなど、アンダーグラウンドに留まらない活躍を見せています。

雑誌や広告のポージング指導も多数行うなど、ダンスの枠を飛び出た活動実績もあります。

世界のダンサー

WIZZARD

韓国発の男性ワックダンサーです。

男性ならではの力強い踊りで、女性が踊るのとはまた違うかっこよさがあります。

世界大会の決勝で何度もIBUKIと対戦しており、その度に激闘を繰り広げています。

またバトルの中で相手のダンサーから水をかけられ、相手のダンサーが非難されると言う事件がありましたが、WIZZARDは紳士的な対応を貫きました。

 WAACKXXXY

こちらも韓国出身の男性ワックダンサーです。

ガタイの良い男性で、フィメールダンサーが多いワックダンスの会場では見た目からインパクト抜群です。

その如何にも力強そうな体から、意外なほどしなやかな動きが繰り出されます。

失礼ながら見た目はワックダンサーらしくないものの、ダンスはしっかりと熟練のワックダンサーのものです。

KPOPアイドルのダンスの振り付けも担当しています。

ワックダンスのおすすめ曲

ワックダンスは基本的に明るめで速い曲調で踊られることが多いです。

音楽のジャンルと共に発展してきたダンスジャンルではないため、様々なジャンルの曲で踊られている印象があります。

自分の体験では、JPOPやアニメソングに合わせて踊っている機会も度々見かけたので、楽しく盛り上がれる曲調であればワックダンスを踊ることができるでしょう。

Sylvester「Do You Wanna Funk」

A taste of honey「Take the boogae or leave it」

Roy Ayers「Running Away」

Chic「I Want Your Love」

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はワックダンスの特徴や歴史、技術についてご紹介いたしました。

ワックダンスは非常にエネルギッシュで明るいダンスの為、みんなで盛り上がれること間違いなしのダンスジャンルとなっています。

また手の動きが中心で複雑なステップも少ない為、初心者の方でも始めやすいダンスとなっています。

本記事を読んで少しでもワックダンスに興味を持って頂けたら、是非音楽に合わせてトゥエルやポーズの練習をしてみてください。

特にポーズはワックダンスに独特な技のため、ワックダンスの楽しさを感じることができると思います。

本記事を最後まで読んでくださりありがとうございました。

<参考サイト>

Waack/Punk Dance(ワック/パンクダンス)ってどんなダンス?
②Yoshie 日本を代表する女性ダンサーといえばもちろん!
③【ダンスのジャンル】ワックダンスとは?

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